最新釣果  その5

「じゃあ、また来週。」そう言ってお土産と釣りバックを重そうにかつぎながら駅へと消えていった。
その駅前は不動産屋が乱立しており、春の引っ越しシーズンを前にどこもかしこも混んでいるようで車がロータリーからなかなか出れない…。
来週は確実に釣れる魚にしようと心に誓った先週だった。
初心に戻ろう。私は鰺ハナダイ五目に決定した。女二人ならまたもや女性半額の飯岡清勝丸に乗船した。

星が満点に輝く丑三つ時飯岡港に到着した。雑談をしていると少しは寝ようと、睡眠体制に入る。

車の止まる音や話し声で目が覚める。
「どっちの船が、いか船だろうか」とクーラーをもってうろうろしている。
私は優しい人なのでわざわざ車を下り『多分、いかは3号船ですよ』と言いにいった。すると、中乗りのヨシテル君が、車検に出した自分の車より高級な3ナンバーに乗っておでましだ。『いか船どっちかみんなわからないみたいだよ』「いかは3号船だよ」と、決まってんじゃん!位のノリで言われちまった。こいつはまだ私の嫌味攻撃の洗礼を受けてないのでそのうちお見舞いしてやると楽しみが増えた。
「昨日昼間スーツ着て斉藤さん来てたっけ」
『スーツ姿どうだった?』
「あんがい似合ってた」
『ふ〜ん。私もみたかったなぁ。で斉藤さんくるのかなぁ』
「わがんねぇけど多分くんじゃねぇ」
雑談していると寒くなってきたので、車に戻ると斉藤さんがひょっこり窓越しに顔を覗かせた。『おはよう』ちあきちゃんも寝ぼけながら挨拶をする。
接待で1:30 』まで港すぐ横の[岸壁]であんこう鍋を囲みながら仕事をしていた斉藤さんは、寝ていないらしく、こちらの問いに3テンポほどおくれ、ちぐはぐな返答をしている。
[今日は眠くってだめだ]なに言っちゃってるんですか私も寝てませんよ。

右舷大トモに斉藤さん、ちあきちゃん、私と並んだ。ポイントまで40分程。久しぶりに船中で寝た。ポイントに着いて若船長から仕掛けをもらう「から針とウイリーがありますけど」
『両方!』
まずはウイリーからだ下針だけから針になっているので、おきあみを付ける。それは以前とはちがい透明で形の整ったものだった『はちみつが付いてて餌持ちがいいから、勧めたんだよ』と斉藤さんが言う。こませを詰め船長の合図とともに投入した。「下の方で反応がでてます」船長がアナウンスをする。
着底して糸ふけをとり一呼吸おき頭上まで竿を上げ5秒程まち、リールを半回転程まきながらしゃくる。しゃくるスピードはかなり早い。魚があたふたしてるのではないかと思われる。
くわねぇよ(-_-)

2投目またも速攻しゃくりで攻めると鰺特有のクンクンとひく5mホドゆっくりと巻き上げ追い食いをまつが上がらない。魚が海面から「こんにちわぁ」とでてきて取り込む瞬間「ばいばぁ〜い(^^)/~~~」って海にお帰りになった。
「あ゛〜」とちあきちゃんの声がする。気を取り直してこませを詰めていると「手でやってる!」と驚愕の叫び。
そうそう私はいつもこませは手づかみです。だから今日は手袋してないもんねぇ。
水深カウンター付のリールでは最近ほとんどやっていない。しかし色をいちいち数えるのも面倒。まあだいたい水深なんてそんなにかわるもんじゃないし、着底した所から数えればいい。そう今日は底あたりが狙い目だからね。やはり先程釣れた辺りが、ここの当たり棚。いれぐいとまではいかないが一投一釣でたまにはダブルで上がってくる。しかし、ほとんどが、ウイリー針の一番下の餌針にくってくる。今日は餌だな。鰺を釣り上げて仕掛けを交換することにした。
「また、そうやってすぐあきらめるぅ!」
『あ、いや餌針に交換しようかなぁと思って…』何故かしどろもどろな私。ちあきちゃんにカツをいれられながらおきあみを付けていくと5本針。『針多くない?』船長に問いかける。
「3本針はエダスがながいから風があると、からまつっちゃうんでぇ…」と説明してくれた。が3本も5本も絡まる点では同じな私。餌を付けるのが多いぶんなにかと辛い。しかし、餌を付けても、釣果にそれほど変わりはなく、何度かポイント移動を繰り返すが、状況の変化は無い。こういうときは干物作りだぁ(*^^)v私は、釣り上げて針をはずすときに血抜くをしてしまう。いつまでも、樽の中に入れておくのは、かわいそうと思うからである。
血抜きを下あとは腹を開いても汚れも少なく、スムーズに作業がはかどる…。はずだったのだが、基本的に包丁を持たない私に揺れる船上での作業は夢に描いていた光景とは程遠いものだった。
「後ろの人、竿曲がってるんですけど」と船長が操縦席から、顔を除かせて言う。
斉藤さんの竿がまあるくなって、ソゲを釣り上げた。
「さいとうさんすご〜い!キャーすてきぃ〜」とはやしたてる。わたしも、何気にヒラメ竿持ってきてるので、だしちゃおーかな?なんて、思ったけど「二兎追うものは一兎を獲ず」の格言があるし、私には分不相応なので、やめておきました。
そして、とあきちゃんが黒メバルを釣り上げ、私はと言うと、あいもかわらず、オキアミと戦っている。。。なにげに「へなちょこ」ヾ(-_- )ゞ…ア ヨイヨイ!
「あきちゃったなー」そうだ、船長でもからかうべ!
『じゅんちゃ〜ん。あじどこにいるのぉ?』   「え〜とですねぇ」
『はなだい行方不明なの?』           「昨日はいたにはいたんですけどぉ〜」
『午後船出るの〜?』             「連絡無いんで、出るのかナ〜?」
と、ちあきちゃんをみると竿の曲がりがチョと違う。
水面に上がってきた魚をみると、プチ家出してきたハナダイがひょっこりついていた。
「お〜すげーじゃん!」船中初めてだねー。それはなかなかのサイズ。
そして、またもや斉藤さんがソゲをあげる。
『それはちあきチャンの分だから、次は私のねー』
「勝手に決めるなー!」と悲痛の叫びの斉藤さん。
そして、置き竿にはメバルが数珠つなぎあがってきた。斉藤さん寝る暇が無かった割には特餌しこんでんジャン!メバルがつれるということは…。
その時ちあきチャンが、根掛りした様子。
私も、魚を揚げていた途中なので、サポートに走れない!

「だーめー!竿先持っちゃダーメーえ゛〜〜〜〜〜」

「バッキッ」!

『船長、竿あるよね。』
『リールとっかえて、これでやんな』
初心者だけではなく、熟練した人でもやってしまう。ショックはでかいが、これは誰もがやってしまう仕方の無いこと。これで、ちあきチャンも、根掛りのはずし方が上達するのだとおもった。
根掛り女王の私も、最初は、怖くて、仕掛けを落とせなくなくなったりとても自信の無い時があった。
今でも釣果には自信は無いが、おまつりしようが、根掛りしようが、仕掛けを沈めないことには魚は釣れない…。
チャレンジあるのみだぁ!
『斉藤さん、ひらめ私の分も釣らないとぉ』
「あと30分じゃあむりだよ〜」
『ヒラメなんて10分もあれば3枚は釣れますぜ』
とかいって、私はもう、午後船のことで頭がいっぱい
「餌の準備もあるんで、早めに…」
『ちあきチャンどうする?』
「あねごにおまかせします」
う〜ん!?埼玉まで帰るちあきチャンのことを思うと早く帰ったほうが良いのかも…。
う〜ん!?3月も冷蔵庫空っぽかも…。
しかし、アイナメ釣も3月で終了。今日を逃すと来期まで釣れない!
『午後船2名追加でヨロシク!』
鯵釣はここで終了!私の頭はアイナメにと向かっていた。

片付けもそこそこに艫へと移動。ちあきチャンも珍しくキャビンに入らず3人で雑談。
ちあきチャンは帰港するときの風景を始めてみたと喜んでいた。


さすが、釣り物の王様!うまうまでしたー!